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ようこそ、ボタニカルアートサロンへ。
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吉田桂子先生が主催する、ボタニカルアートを描く人のために
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吉田桂子先生のボタニカルアート作品がグッズになりました。
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→Botanical art salon The goods shop
コンテンツ更新情報
- 2022.06.19 今月のタイトル花を更新しました。
- 2022.05.08 今月のタイトル花を更新しました。
- 2022.04.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2022.03.15 今月のタイトル花を更新しました。
- 2022.02.07 今月のタイトル花を更新しました。
- 2022.01.06 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.12.05 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.11.13 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.10.21 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.09.05 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.08.17 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.07.03 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.06.12 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.05.03 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.04.04 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.03.06 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.02.06 今月のタイトル花を更新しました。
- 2021.01.23 タイトル花アーカイブに2020年タイトル花を追加しました。
- 2021.01.23 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.12.11 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.11.07 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.10.17 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.09.05 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.08.09 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.07.04 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.06.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.05.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.04.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.03.11 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.02.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2020.01.14 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.12.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.11.03 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.10.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.9.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.8.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.7.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.6.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.5.04 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.4.07 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.3.09 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.2.21 植物画ウェブ講座ページに第45回ーレンテンローズブーケを描くを掲載しました。
- 2019.1.31 今月のタイトル花を更新しました。
- 2019.1.05 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.12.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.11.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.10.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.9.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.8.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.7.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.6.24 植物画ウェブ講座ページに第44回ーガーベラを描くを掲載しました。
- 2018.6.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.5.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.4.27 植物画ウェブ講座ページに第43回ージャーマンアイリスを描くを掲載しました。
- 2018.4.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.3.21 植物画ウェブ講座ページに第42回ーカタクリの群落を描くを掲載しました。
- 2018.3.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.2.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2018.1.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.12.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.11.22 植物画ウェブ講座ページに第41回ーブドウを描くを掲載しました。
- 2017.11.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.10.27 植物画ウェブ講座ページに第40回ーハクサンシャジンを描くー彩色編を掲載しました。
- 2017.10.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.9.23 植物画ウェブ講座ページに第39回ーハクサンシャジンを描くーデッサン編を掲載しました。
- 2017.9.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.8.23 植物画ウェブ講座ページに第38回ーバラを描くー個体の描き分けを掲載しました。
- 2017.8.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.7.21 植物画ウェブ講座ページに第37回ーアンスリウムを描くを掲載しました。
- 2017.7.09 Botanical art salon The goods shopのオープンのお知らせ
吉田桂子先生のボタニカルアート作品がグッズになりました。 - 2017.7.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.6.25 植物画ウェブ講座ページに特別講義ー礼文島の花々を掲載しました。
- 2017.6.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.5.21 植物画ウェブ講座ページに第36回ーミヤマオダマキを描くを掲載しました。
- 2017.5.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.4.16 植物画ウェブ講座ページに第35回ーアイスランドポピーを描くを掲載しました。
- 2017.4.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.3.17 植物画ウェブ講座ページに第34回ーキバナカタクリを描くを掲載しました。
- 2017.3.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.2.19 道具と書籍のご紹介ページにパレットのお掃除3つの理由を掲載しました。
- 2017.2.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2017.1.28 植物画ウェブ講座ページに第33回ークリスマスローズを描くを掲載しました。
- 2017.1.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.12.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.11.25 植物画ウェブ講座ページに第32回ープリムラを描くを掲載しました。
- 2016.11.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.10.30 植物画家的-旅ナビページにFloraJaponica展~英国KewGardens 2016年9月25日~10月1日 を掲載しました。
- 2016.10.03 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.09.23 植物画ウェブ講座ページに第31回ーヒペリカムを描くを掲載しました。
- 2016.09.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.08.28 植物画ウェブ講座ページに第30回ートルコギキョウを描くを掲載しました。
- 2016.08.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.07.29 植物画ウェブ講座ページに第29回ーキキョウを描くを掲載しました。
- 2016.07.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.06.19 植物画ウェブ講座ページに第28回ーペチュニアを描くを掲載しました。
- 2016.06.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.05.22 ブログ花のある生活ページに吉田桂子展の動画をアップしました。
- 2016.05.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.04.23 植物画ウェブ講座ページに特別講義ームラなく塗る平塗り技法を掲載しました。
- 2016.04.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.03.18 植物画ウェブ講座ページに第27回ーキクザキイチゲを描くを掲載しました。
- 2016.03.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.02.21 植物画ウェブ講座ページに第26回ーパフィオペディルムを描くー2掲載しました。
- 2016.02.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2016.01.29 植物画ウェブ講座ページに第25回ーパフィオペディルムを描くを掲載しました。
- 2016.0101 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.12.30 植物画ウェブ講座ページに第24回ーカトレアを描くを掲載しました。
- 2015.12.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.11.13 植物画ウェブ講座ページに第23回ーデンマークカクタスを描くを掲載しました。
- 2015.11.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.10.11 植物画ウェブ講座ページに第22回ースカビオサを描くを掲載しました。
- 2015.10.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.9.18 植物画ウェブ講座ページに第21回ーナデシコを描くを掲載しました。
- 2015.9.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.8.23 植物画ウェブ講座ページに第20回ーダリアを描くを掲載しました。
- 2015.8.02 植物画家的-旅ナビページに伝統の朝顔展~くらしの植物苑 2015年7月30日を掲載しました。
- 2015.8.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.7.09 植物画ウェブ講座ページに第19回ーハイビスカスを描くを掲載しました。
- 2015.7.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.6.21 植物画家的-旅ナビページにフラワーセンター大船植物園~2015年6月18日を掲載しました。
- 2015.6.11 植物画ウェブ講座ページに第18回ーゼラニウムを描くを掲載しました。
- 2015.6.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.5.22 植物画家的-旅ナビページにローズガーデン訪問記~2015年5月14日~15日を掲載しました。
- 2015.5.10 植物画ウェブ講座ページに第17回ークレマチスを描くを掲載しました。
- 2015.5.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.4.29 植物画家的-旅ナビページに筑波実験植物園 2015年4月18日を掲載しました。
- 2015.4.09 植物画ウェブ講座ページに第16回ーセントポーリアを描くを掲載しました。
- 2015.4.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.3.26 植物画家的-旅ナビページに夢の島熱帯植物館 2015年3月20日を掲載しました。
- 2015.3.13 植物画ウェブ講座ページに第15回ーブーケを描くを掲載しました。
- 2015.3.01 今月のタイトル花を更新しました。
- 2015.2.27 特別講義ールドゥーテに学ぶ現代ボタニカル・アートの方向性 第2回を掲載しました。
- 2015.2.08 植物画ウェブ講座ページに第14回ーパンジーを描くを掲載しました。
- 2015.2.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2015.1.31 特別講義ールドゥーテに学ぶ現代ボタニカル・アートの方向性 第1回を掲載しました。
- 2015.1.11 植物画ウェブ講座ページに第13回ースイセンを描くを掲載しました。
- 2015.1.1 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.12.23 道具と書籍のご紹介ページに「ボタニカル・アーティストのための紙選び」を掲載しました。
- 2014.12.12 植物画ウェブ講座ページに第12回ー日常の中で楽しむボタニカル・アートを掲載しました。
- 2014.12.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.11.16 植物画ウェブ講座ページに第11回ークヌギを描くを掲載しました。
- 2014.11.09 植物画家的-旅ナビに「富士花鳥園 2014年10月31日」を掲載致しました。
- 2014.11.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.10.23 植物画ウェブ講座ページに第10回ーフクシアを描くを掲載しました。
- 2014.10.17 植物画ウェブ講座ページに特別講義ーボタニカル・アーティストのための色彩学を掲載しました。
- 2014.10.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.9.21 植物画ウェブ講座ページに第9回ーハナミズキを描くを掲載しました。
- 2014.9.15 道具と書籍のご紹介ページに「額装に差が出るマットの役割3選」を掲載しました。
- 2014.9.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.8.29 植物画ウェブ講座ページに特別講義ーボタニカル・アーティストのための色彩学を掲載しました。
- 2014.8.10 植物画ウェブ講座ページに第8回ーリンドウを描くを掲載しました。
- 2014.8.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.7.25 植物画家的-旅ナビに「北海道 礼文島 2」を掲載しました。
- 2014.7.13 植物画ウェブ講座ページに第7回ー植物群を屋外で描くを掲載しました。
- 2014.7.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.6.19 植物画ウェブ講座ページに第6回ースカシユリを描くを掲載しました。
- 2014.6.14 道具と書籍のご紹介ページに「もう迷わない。筆選びの3原則」を掲載しました。
- 2014.6.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.5.11 植物画ウェブ講座ページに第5回ーアジサイを描くを掲載しました。
- 2014.5.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.4.23 植物画ウェブ講座ページに第4回ーチューリップを描くを掲載しました。
- 2014.4.13 植物画家的-旅ナビページに「南米の不思議な果実~西川農園訪問記」を掲載しました。
- 2014.4.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.3.22 植物画ウェブ講座ページに第3回ーツバキを描くを掲載しました。
- 2014.3.08 道具と書籍のご紹介ページに羽ぼうきの話を掲載しました。
- 2014.3.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2014.2.22 道具と書籍のご紹介ページに消しゴムと練り消しゴムの話を掲載しました。
- 2014.2.08 植物画ウェブ講座ページに第2回ーバラを描く彩色編を掲載しました。
- 2014.1.31 道具と書籍のご紹介ページにカッターナイフと研芯器の話を掲載しました。
- 2014.1.12 新しく植物画ウェブ講座ページを開設致しました。このページでは、四季を彩る様々な植物の描き方のポイントを吉田先生に解説して頂きます。第1回はボタニカルアートを学ぶ方々なら誰でも挑戦したいモチーフ「バラ」のデッサン編です。どうぞご覧ください。
- 2014.1.1 2013年タイトル花の記事をタイトル花アーカイブにまとめました。
- 2013.12.21 植物画家的-旅ナビページに「鎌倉文学館と晩秋のバラ園」を掲載しました。
- 2013.12.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2013.11.24 作品のご紹介ページに「名言とともに贈る~ブーケ画集」を掲載しました。
- 2013.11.06 植物画家的-旅ナビページに「岩手県大迫町」を掲載しました。
- 2013.11.01 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2013.10.14 道具と書籍のご紹介ページに鉛筆と鉛筆ホルダーの話を掲載しました。
- 2013.10.1 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2013.9.24 ボタニカルアートとはのページにボタニカルアートの応用編としてイチゴジャムのラベル制作の過程をアップ致しました。
- 2013.9.16 植物画家的-旅ナビページに「町田ダリア園」を掲載しました。
- 2013.9.1 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2013.8.15 教室のご紹介ページに東京農業大学グリーンアカデミーの情報を追加致しました。
- 2013.8.15 道具と書籍のご紹介ページに吉田桂子作品集のご案内を掲載致しました。
- 2013.8.13 植物画家的-旅ナビページに「箱根探美行」を掲載しました。
- 2013.8.6 道具と書籍のご紹介ページに「植物画のためのカメラえらびと撮影術」を掲載しました。
- 2013.8.5 教室のご紹介ページに日本園芸協会さんのリンクを掲載しました。
- 2013.8.1 今月のタイトル花を更新致しました。
- 2013.7.14 道具と書籍のご紹介ページに「植物画家の本棚」を掲載しました。 吉田先生の蔵書を順次ご紹介していくページです。ボタニカル・アートを描くうえで参考になる書籍を集めています。どうぞ、ご活用下さい。
- 2013.7.08 植物画家的-旅ナビ 北海道 礼文島 1 を掲載しました。
吉田桂子 略歴
横浜生まれ
多摩美術大学卒
大手アパレルメーカーに服飾デザイナーとして勤務の後、画家として独立
英国王立園芸協会(RHS)ゴールドメダリスト
日本ボタニカルアート協会会員
6月のタイトル花
スプレケリア・フォルモッシマ
子供の頃、お誕生日が近くなると庭にアマリリス、グラジオラス、カノコユリ、ヤマユリetc.......ゴージャスナ花々が咲き乱れていました。
そのすり込みのせいなのか、球根植物を見ると心がおどります。
この作品の植物はスプレケリア・フォルマッシモと言います。
和名では燕水仙(ツバメスイセン)と呼ばれています。
花の形を正面から見る大空にはばたき昇って行くツバメのようにも見えます。
このツバメスイセンを初めて知ったのはヨーロッパの古いボタニカルアート作品だったように思います。その作品のツバメスイセンは白と朱赤のバイカラーの花で、白い部分に少しグリン系の縞模様が入っていた様に記憶しています。どうしても描いてみたくてサカタのタネでやっと見つけた球根でした。
オーソドックスなボタニカルアートの構図で、私にしては正統派の作品になりました。この作品は現在ピッツバーグのハントボタニカル財団で保管されています。原画を見る事ができないので又庭に球根を植えてみたいと思っています。こんどこそバイカラーのものを探しあてて......
画:「スプレケリア・フォルモッシマ」吉田 桂子
文:吉田 桂子
5月のタイトル花
シラネアオイ
図鑑でしか見た事の無いその花を始めて本物を目にしたのは青山の花屋でした。昭和風の木造の一軒家を改造した花屋で、今ならカフェなどでも良く見かける造りですが、今から四半世紀昔の青山ではとても珍しい花屋でした。
色々な山野草にまぎれてピンクの大きな花を小さな草丈に咲かせていました。育てられるのか迷いながらもその花の魅力に打ち勝つことは出来ず、絵を描くために購入して帰りました。
それがこの作品に描かれているシラネアオイです。
図鑑には北海道、本州中部以北が原産の日本固有種とあります。
原産地の環境を考えながら頑張りましたが、やはり関東の夏を越えさせることができず枯らしてしまいました。今思っても本当に残念です。
あれから四半世紀近くの時が過ぎて私はボタニカルアートの上達と共に植物の栽培技術も上達しました。7年前には自宅の建て替えと共に古井戸を復活させてから心なしか我が家の夏は涼しくなった気がします。
ひょっとすると今なら上手にシラネアオイを育てられるかもしれません。
いいえ......やはり野の物は野に......ですね。
画:「シラネアオイ」吉田 桂子
文:吉田 桂子
4月のタイトル花
エンゴサク
はるか昔のことですが、私は自宅の近くの幼稚園に行ってました。
通園路には里山の切通しの様な道があり、その脇の側溝には山からわずかな水が染み出ていました。晩春から初夏を迎えてもひんやりとした道端には紅紫色の美しい花が咲いていました。自宅に飾ろうと花を摘んで帰っても水上げが上手にできなくていつも萎れてしまいました。今から思えば、あの花はムラサキケマンであったと思います。
現在、我が家の庭にもムラサキケマンの花は春になると芽を出し、ゴールデンウイークの頃には満開になるのですが、小さい頃ひんやりとした薄暗がりで見たムラサキケマンより花が全体に白いように思います。
ケマンの仲間には色々な花があります。
黄色い花を咲かすキケマン、小型で淡い桃色のジロボウエンゴサク......
そうです、このグループの花はケマンと呼ばれる花とエンゴサクと呼ばれている花があります。ヤマエンゴサク、エゾエンゴサクetc......エンゴサクには青くて美しい花を咲かせる種も沢山あります。この作品のエンゴザクは青に少しだけ赤みを帯びた花を咲かせています。一説によると、青よりも赤い色素は遺伝的に強いそうで、一度赤系の色素が入ってしまうと代々に特徴として出てくるそうです。
そういえば私のフィールド礼文島で見られるエゾエンゴサクやヤマエンゴサクは白、ピンク、青があるのですが、この青の中に少し青紫系の青の個体とコバルトブルー系の青の個体が見られます。後者は比較的個体数も少なく、ひょろっとした小型の個体のように思います。
いつになったらあの美しい青い花を見られるのか......ただただ祈るのみです。
画:「エンゴサク」吉田 桂子
文:吉田 桂子
3月のタイトル花
チオノドクサ
「チオノドクサ」と聞くと一瞬ドキットします。
「チ」や「ドク」からくる音のせいかもしれません。和名の様に聞こえるこの名前も学名は「Chionodoxa」なので、きっとこの日本語読みなのでしょう。日本人の私にはかわいらしく美しいその姿にはあまりふさわしくない様に思ってしまいます。
さてもともと園芸店で購入したこのチオノドクサはしばしば庭の中で行方不明になります。私が庭をしょっちゅう掘り返すのでその都度掘り上げられてどこかに植え替えられてしまうからです。植えた当人も最近はリスのような記憶力となり、庭のあちらこちらから出てくる単子葉類を見つけては「これはスノードロップかな?」「これはヒヤシンス?」等と花が咲くまで同定できない始末......
チオノドクサは庭からほとんどいなくなってしまって昨年思いもよらない所から出ていたのですが、昨年末にそのあたりに盛土をした事を春になって思い出しました。今年は咲いてくれないかな、どこからか突然顔を出さないかな......とリスのように庭を見つめています。
画:「チオノドクサ」吉田 桂子
文:吉田 桂子
2月のタイトル花
リカステ 種名不明
このリカステの作品は20年以上前に描いた作品です。
なぜなら、サインの下に完成年度が入っていないからです。
佐藤廣喜先生がお亡くなりになり、独り立ちした時のこのフルネームサインに変更しました。特に独立したばかりの頃は完成年度が入っていないので2000年より前のものだと思います。
現在はスケッチの日時や場所が明確な作品は画面余白に詳細な表記を入れ、作品の完成年度はサインの下に書き込むようにしています。
ボタニカルアートは作品の制作に年数がかかるので、この方が後に自分で分かり易い事に気が付きました。さてサインの話はこれくらいにしてこの植物の話をしたいと思います。
このリカステの種名は不明です。不覚にもタグを無くしてしまって品種名がわからなくなってしまいました。もし分かる方がいらしたら教えて下さい。
リカステとしては小型な品種で葉の大きさも通常のリカステの2/3程の大きさです。このくらいの大きさだと全草を描いても余白が出来にくく美しい構図がとりやすくなります。色も私好みの紫からあずき系の色に緑が入っていて、ついついこの組み合わせの蘭の花には属に関係なく描きたくなってしまいます。
短い人生の中で全ての植物を描き事は出来ません。以前はなるべく色々な植物を描きたいと強く思ったものですが、最近は好きな植物を好きなだけ描けたらいいと思うようになっています。
画:「リカステ」吉田 桂子
文:吉田 桂子
1月のタイトル花
クチナシ
新年明けましておめでとうございます。
1月3日...檀家となっているお寺さんにご挨拶に参りました。
その道すがらクチナシの実を見つけました。
葉はほとんどついておらず、オレンジ色の美しい実が沢山枝先についておりました。クチナシの葉はオオスカシバの幼虫の食草となっており、葉のないクチナシの木を良く見かけます。なのでこの作品を描く際、虫食いの跡を描くか描かないか...すごく迷いました。
私の恩師の佐藤廣喜先生は虫食いは大嫌いで、描かない様にと私も習いました。しかし、私自身のこだわりは「普通に目にする植物の印象を大切にする」です。そして迷ったあげくなんとなく虫に食われたクチナシの絵になってしまいました。師匠に対するせめてもの私の抵抗です。
先ほど、オオスカシバの話をしましたが、私の2年ほど前に成虫を1度だけ見たことがあります。庭のウグイスカグラの葉の上でじ~っとしていました。
あまりの美しさにうっとり見とれてしまい「そうだカメラ!!」と携帯を取に走った時は既に時遅しでした。我が家にはクチナシの木はないので、ひょっとするとあのお宅のクチナシの木への移動の途中だったのかもしれません。
また飛んでこないかな~と願っています。
クチナシの花盛りはまだまだ先のことですが......
画:「クチナシ」吉田 桂子
文:吉田 桂子