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コンテンツ更新情報


吉田桂子 略歴
横浜生まれ
多摩美術大学卒
大手アパレルメーカーに服飾デザイナーとして勤務の後、画家として独立
英国王立園芸協会(RHS)ゴールドメダリスト
日本ボタニカルアート協会代表

6月のタイトル花
ディサ キューエンス

ディサと言うランの花です。この花の代表的なものはオレンジ色でユニフロラと呼ばれています。今から20年以上前にディサを初めて見た時の感動を忘れられません。そしてその後また、出会いがあり、描いたのがこのディサ・キューエンシスです。キュー......!?ひょっとして......!?ディサの原産地は南アフリカよね......そうなんです。このディサの種名のキューエンシスのキューはキューガーデンのキューなのです。南アフリカからヨーロッパへ渡った植物......当時の世界情勢を考えるととても複雑な心境になります。
でも時に植物は風を利用して種子を遠くへ飛ばしたり、虫や鳥の力を借りてもっと遠くへ種子を運んだりします。人も大いなる自然の一部。地球に住むちっぽけな生き物なのだと考えると少しだけ心が和らぐ気がしました。

画:ディサ・キューエンシス
文:吉田 桂子

5月のタイトル花
スズムシソウ

初夏の気配と共に咲くスズムシソウ......この作品のモデルは栽培品ですが、野山では草むらの中で咲いているスズムシソウは周りの緑と同化して、まるで人に気付かれない様にじっとしている虫のようです。

多様化しているラン科植物の中には、生き物の様な形をしたものが多くあります。サギソウ、オフリス etc....このスズムシソウも唇弁の丸く薄い質感がまるでリーンリーンと振わせているスズムの羽根のようにも見えます。

野趣溢れる渋い色彩でありながら、ラン科植物特有の肉厚でロウ質の花は大変魅力的で、生い茂っている植物の中にスズムシソウを見つけると、まるでお宝を発見したような興奮を覚えるのです。

画:スズムシソウ
文:吉田 桂子

4月のタイトル花
ミヤマオダマキ

このミヤマオダマキは鉢で栽培品を描いたものです。
礼文島のあちらこちらで咲いているミヤマオダマキよりも徒長していて、赤味も少し個体的です。このあと我が家の庭に種を飛ばし、あちらこちらに増えました。我が家を気に入ってくれていると過信してはいたら、今年の春はどこにも花が咲かなくなってしまいました。

昨年の暑さで溶けてしまったのかもしれないと落胆していたある日、サクラ普賢像の株もとにカタバミとは少し違う小さな葉を発見しました。それはまぎれもなくミヤマオダマキの葉でした。

まるで四つ葉のクローバー、四つ葉のカタバミを見つけた様な喜びでした。
今年の夏はなんとか越せる様に工夫をしてあげないと......と今からあれやこれやと考え中です。

画:ミヤマオダマキ
文:吉田 桂子

3月のタイトル花
フリチラリア

フリチラリア......その昔、アントティークのボタニカルアートで見てひとめ惚れ。こんな美しい植物があるのだと知りました。

それから数年......十数年...!?だろうか......ずいぶんと時が過ぎたある日、花屋の店先にフリチラリアの鉢植えを見つけました。黒ユリの様な形にバイモユリの様な模様が紫色で入っていてちょっとヘビ柄の様にも見えました。

その中に一輪だけ白い花が咲いています。その白い花はいつも人間関係の中にうまく入っていくことの出来ない自分の様でした。

この先品を見ながらなんとなくゴッホのアイリスの絵を思い出しました。沢山の青紫色のアイリスの中に咲く一輪の白いアイリス......ゴッホの絵は個人的にはあまり好きではありません。それはきっとゴッホの気持ちと同じになってしまうからかもしれません。

画:フリチラリア
文:吉田 桂子

2月のタイトル花

パフィオぺディラム

とにかく昔は沢山のラン科の植物を描いた。
これはパフィオぺディラム・プリムリナ(黄)とピノッキオ(桃)である。ピノッキオはグラコフィラムとプリムリナムの交配種なのである意味、親子の共演と言ったところでしょうか......
どちらもパフィオにしては小ぶりで可愛らしい花を咲かせます。
花の株に蕾が描かれていますが、両品種ともに花がいったん咲き終わると、下からまた花が出てきます。特にピノッキオは優秀で」3~4輪は普通に咲いていました。

近年、蘭展には足を運ばなくなってしまいました。
ある時から心を動かすような花に出会えなくなってしまったからです。
蘭工場で作られたような美しい蘭には興味を持つことが出来ないからかもしれません。でも「なんかまた蘭を描きたいなあ......」と思う今日この頃です。

画:パフィオペディルム プリムリナ&ピノッキオ
文:吉田 桂子

1月のタイトル花

ラン

このランはEpi.parkinsonianum var.falcatumという長い学名がついています。私が描いた個体は株分けしたものなのか......若い株なのか......少し小さく花も一輪しか咲いていません。この十数年後、生徒さんが大株で、たわわに花を咲かせている個体を描いていました。花の一つ一つは少し小ぶりではありますが、沢山の花を咲かせている株はそれはそれは豪華絢爛でした。しかしながら、カトレアやファレノプシスなどとは違った豪華さに感じるのは、学名からもわかるように、このランが原種系であるからかもしれません。余談にはなりますが、学名を読むとき、例えばこのランの場合、Epi.はエピデンドラム属の略号で、parkinsoniarumは種小名となります。この表記の頭文字が小文字の場合は原種であるという意味です。そしてvar.はバリアンテの略で変種の意味でfalcatumが変種名となります。学名は私のような画家にはあまり関係ありませんが、正しく観察をする助けとなる事があるのでしっかりと知っていると役に立つことがあるかと思います。

絵:ラン Epi.parkinsonianum var.falcatum
文:吉田 桂子

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