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第26回ーパフィオペディルムを描くー2

第26回ーパフィオペディルムを描くー2

オモトが葉を楽しむように、パフィオは斑入りの葉を楽しむ事も出来ます。
花だけでなく、美しい模様の葉を持つパフィオ、今回は斑入りの葉の彩色方法について学びます。

パフィオペディルム

斑の色の濃淡で彩色手順を決める

斑入りの葉を描くにあたって、手順をしっかり頭に入れてから描き始めましょう。葉の色に対して、斑の色が淡い時は斑の色を先に彩色します。
まず、葉全体が斑の色だったらと想像して陰影を彩色し、その後、葉本来の色を彩色します。葉の色に対して、斑の色が濃い時は、まず葉の色を彩色します(彩色例①-a)。次に斑が光を受けて一番淡く見える所の色で斑の色を塗ります(彩色例①-b)。そして最後に陰影にそって強弱をつけながら斑の模様を彩色します(彩色例①-c)。

彩色例

左から彩色例①-a,彩色例①-b,彩色例①-c

前述の二例を見ても分かる様に、透明水彩絵の具で描く場合は淡い色(明度の高い色)を先に彩色します。画材の特性を考え、良さを引き出す様に注意して描きましょう。

パフィオペディルム

まずは白抜きの技術を身につけましょう

よく、植物画のお教室で、「白い毛を白い絵の具で描いてはいけませんか?」と質問される事があります。白い産毛は白い絵の具で描いていけない訳ではありません。ボタニカルアートは言葉通り「アート」です。
ですから、同定にさえ使用出来れば自由に描いて良いからです。しかし、その時考えなければいけないのは、先ほどから延べているように、透明水彩絵の具の特性を考えると言う事です。
白い産毛は白い絵の具でも、白抜きでもどちらでも描けますが、赤い産毛の場合はそうはいかない場合があります。彩色例②のAとBを見てお分かりのように、緑の葉の前に赤い産毛がある構図の場合、緑と赤は補色の関係にあるため、産毛の部分を白く抜いておく下処理をせずに彩色すると、緑が赤を吸い込んでしまいます。ですから、白い毛だからと言って楽をして描くのではなく、赤い毛を描く時の技術の鍛錬だと思って白抜きの練習を日ごろからしておくことが大切です。

彩色例

左、彩色例②-A 悪い例
緑が赤を吸い込み、毛の表情がわからない。

右、彩色例②-B 良い例
白く抜いてから、赤で毛を描いているので毛が良くわかる。

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