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第44回ーガーベラを描く

第44回ーガーベラを描く

ガーベラ完成
鉢植えのガーベラ Gabera.sp

以前は一般的な切り花の一つでしたが最近は品種改良が進み
若い女性に人気とか。鉢植えの一般的な品種からちょっと変わった切り花まで
魅力的なガーベラの描き方をご紹介します。

なるべくなら葉も描く

最近のガーベラ、特に切り花のガーベラの品種改良には目を見張る物があります。花色や形も豊富になり、オールドローズとブーケにしても引けを取らないぐらいゴージャスな花もあります。また、慣れ親しんできた花型の物は鉢植えでも入手できるようになりました。

鉢植えのガーベラを見る事で、本当のガーベラの姿を知る事が出来ます。
切り花のような豪華さはありませんが、不自然に伸びた茎はなく、キク科の植物の一種であった事を実感します。つぼみや葉も、切り花では見る事ができないポイントのひとつです。

このように平凡な花でも、鉢植えの個体は植物の魅力満載ですから、なるべく鉢植えの物を入手して描いて下さい。もちろん初心者の方や入手が難しい方は切り花でも構いません。

花は鉛筆、茎は絵の具

何度かガーベラを描く中で、私が感じた事があります。私の作品制作で鉛筆デッサンの占める役割が大きいことは皆さんもご存じだと思いますが、このガーベラという植物の場合、とりわけ花に関してはより緻密なデッサンが必要です。葉は彩色で良さが出ますが、花に関しては細い線で合弁花の全てを丁寧に描いておかないと、彩色でどうにかしようとしても「どうにもならない」と言うことを、心に置いて描いて下さい。

ガーベラのデッサン

鉢植えのガーベラ デッサン

どうは言っても....

そうは言っても合弁花の全てを描く事は大変難しい事です。ですから、少しだけズルをする方法をお教えします。まず花を描く時期を早めにしましょう。中心の管(筒)状花がドーナツ状に2、3列咲き始めたら描きます。その時中心のおちくぼんだ部分は管状花のつぼみで、螺旋状にぎっしりと並んでいます。この部分はつむじ状の中心から右回りと左回りの螺旋を鉛筆で淡く描き、そのガイドラインの上に管状花のつぼみを暗くなる部分だけ描きおこします。

ブラーバのデッサン

「ブラーバ」デッサン

彩色ー花

花を彩色する際に必ず守って頂きたい点が二点あります。
一点目は必ず本番の紙と同じ紙に花の色見本を作りましょう。混色方法だけでなく、下地の色から重ねてみたらどうなるかまで確認してから、彩色にとりかかって下さい。二点目は彩色の手順です。参考作品「ブラーバ」のような淡い色の花の場合は、注意が必要です。

基本的には無彩色系の色で陰影をつけた後、淡く花の色を重ねてゆきます。特にこの「ブラーバ」の場合は裏側に緑が感じられたので、アイボリーブラックに緑を足した色で陰影をつけた後、オペラ+ジョンブリアン+白を淡く彩色しています。上の「鉢植えのガーベラ」はブライトローズ+ジョンブリアン+白で彩色します。

彩色後のブラーバ

ブラーバ

また、「オレンジディーノ」のような鮮やかなオレンジや赤い品種の場合は、下地に必ず黄色を塗ります。そしてその次にオペラ、バーミリオン、ローズマダーなどを混色して、下地の黄色が見えなくなるまで重ね塗りをします。

オレンジディーノ

オレンジディーノ

彩色ー葉・茎

葉や茎、総苞などの緑色の部分は、全て葉脈に見られる明るい色で平塗り、もしくはボカシを入れて地塗りをします。その後それぞれの色(サップグリーン+プルシャンブルー+ミネラルバイオレット)で大きな陰影を彩色し、最終的には葉脈などの細部も描きおこします。白っぽい産毛は描くのではなく、淡く塗り残すことで表現します。

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