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リンドウの秋

リンドウの秋

リンドウ

「春と修羅」は賢治が生前に刊行された唯一の詩集です。
実質自費出版で1000部発行後、「春と修羅第二集」「春と修羅第三集」の発行を予定していたが、実現できませんでした。
賢治はこれらを、詩集と呼ぶのをきらい心象スケッチと称していました。
その第三集から「秋」に一節をご紹介しましょう。

恐れた歳のとりいれ近く
わたりの鳥はつぎつぎ渡り
野ばらの藪のガラスの実から
風が刻んだりんだうの花
……里道は白く一すぢわたる……
やがて幾重の林のはてに
赤い鳥居や昴スバルの塚や
おのおのの田の熟した稲に
異る百の因子を数へ
われわれは今日一日をめぐる

リンドウ(竜胆)とは、リンドウ科リンドウ属の多年生植物です。
秋の野に映える濃い紫の花が風に揺れる様が歌われています。

宮澤賢治 春と修羅 第三集
写真:wikipedia~リンドウ

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