ボタニカルアートを描く人のための専門情報サイト

日本植物誌~ツルアジサイ

日本植物誌~ツルアジサイ

ツルアジサイ

ツルアジサイ(蔓紫陽花、学名: Hydrangea petiolaris )は、アジサイ科アジサイ属の落葉つる性木本です。ゴトウヅルとも呼ばれます。北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の岩崖や林縁に自生します。シーボルトの覚書ではこの植物の発見のいきさつと特徴の一端を伝えていますのでその一部を引用してみましょう「形状からも特徴的なこの植物が発見されたのは九州の多良岳で、7月であり、果実をつけていた。そこではとても力強く生長していて、湿った岩上を這いあがり高さ3~4フィートになる樹状のかたちをしていた。葉は卵形で、鋸歯があり、先は尖り、とても長い柄をもち、散房花序は長く伸びた下方の枝に下図少ないがきわめて大きな装飾花をつけ、その萼片もほぼ円形で先がわずかに凹むため、一見しただけで他のどの種からも見分けがつく。花は白色だが、装飾花は乾くとややくすんだ紅色になる。」とあります。ツルアジサイは変異が多くその分類にシーボルトとツッカリーニは翻弄されたようです。本書の図版59-ⅡのHydrangea cordiforiaの学名を与え、図版92ではHydrangea bracteataとして記載していますが、その後の研究でこれらはすべて同種であると結論付けられました。この例のように変異の幅の広い植物の分類がいかに難しいかを物語っています。

植物画:ツルアジサイー54 ツルアジサイー59-Ⅱ ツルアジサイー92
京都大学電子図書館
参考資料:シーボルト 日本植物誌 大場秀章監修・解説
wikipedia~ツルアジサイ

コメント


認証コード1861

コメントは管理者の承認後に表示されます。

powered by HAIK 7.3.7
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional