日本植物誌~ツクシシャクナゲ
2015.04.23
カテゴリ:Flora japonica
日本植物誌~ツクシシャクナゲ
ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花、学名:Rhododendron japonoheptamerum var. japonoheptamerum )はツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木です。日本固有種で、本州の紀伊半島、四国南部、九州に分布し、深山の林中に自生します。シーボルトは覚書で「この美しい種は北日本北部の高山に生育し、とりわけ日光の山々には多く見出される」と書いていますが、大場秀章氏によれば、日光に自生するのはホンシャクナゲだそうです。ツクシシャクナゲとホンシャクナゲの違いは、前者の葉の裏面に褐色の綿毛が密生して目立つのに対して、後者のそれは淡色で目立ちません。本図を見ると、確かに葉の裏面が褐色に着色されています。現在、長崎県諫早市の「多良岳ツクシシャクナゲ群叢」、福岡県豊前市と大分県中津市にまたがる「犬ヶ岳ツクシシャクナゲ自生地」が国の天然記念物に指定されています。
植物画:ツクシシャクナゲ 京都電子図書館
参考資料:シーボルト 日本植物誌 大場秀章監修・解説
wikipedia~ツクシシャクナゲ