今日の歳時花~一人静
今日の歳時花~一人静
ヒトリシズカ(一人静、学名: Chloranthus japonicus )は、センリョウ科 チャラン属の多年草です。山林の中や丘陵の日陰に群生します。4月頃四枚の葉の間から柄が出て咲きますが、花は裸花で雌蕊一つと白い花糸三本があるだけです。花穂が一本である事が平安末期の武将、源義経の愛妾の静御前が一人で舞う姿を連想させる事からこの名が付けられたと言われ、近縁種のフタリシズカが花穂を2本以上出すのと対比させました。『和漢三才図会』には謡曲で静の幽霊が二人となって一緒に歌舞をしたのが起源と書かれています。また、吉野の山中で二人が別離した故事にあやかって「吉野静」の別名や女性が白粉をつけたあとに眉を払う小さな刷毛に似ていることから「眉掃草」とも呼ばれています。日陰でひっそりと咲く清楚なたたずまいが美しい季語の花です。
参考資料:新歳時記 平井照敏編
美しい季語の花 金子兜太監修
wikipedia~ヒトリシズカ
後藤 比奈夫(ごとう ひなお、1917年(大正6年)4月20日 - )は、俳人。本名は日奈夫(読み同じ)。大阪府西成郡今宮村に生まれる。父は「瀧の上に水現れて落ちにけり」などの句で知られるホトトギス派の俳人。ホトトギス派の信条である客観写生、花鳥諷詠を追求しつつ、物理学で培われた知的な視線、新鮮な題材への取り組み、擬人法の開拓などにおいても評価を得ており、戦後以降のホトトギス系の俳人の中でも特に目立った活躍を見せている。