今日の歳時花~捩花
今日の歳時花~捩花
ネジバナ(捩花、学名:Spiranthes sinensis var. amoena)は、ラン科ネジバナ属の小型の多年草です。「文字摺草」「もじばな」とも呼ばれます。ラン科にはめずらしく、日当たりのよい各地の原野や芝地、土手、田んぼの畦の草の中など身近な場所に自生します。草丈は15cm~30cmほどになり、茎のもとから2,3枚の細長い葉がでます。花期は5~7月で、茎の上に穂がねじれた形で淡ピンクや紅紫の小さな花が一列になってたくさんつきます。花茎の上部に向かって螺旋状に駆け上がるように咲くため、この名がつきました。学名の Spiranthes(スピランセス)は、ギリシャ語の 「speira(螺旋(らせん))+ anthos(花)」に由来します。右巻きと左巻きの両方があり、中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体もあります。白や緑の花も見られます。花の大きさは1cmにも満たず、草丈も周りに埋もれてしまいがちですが、ひとつひとつ花を見るとラン科特有の形をしています。目立たない山野草ですが、その優しげな風情と個性的な姿が古くから愛されてきた季語の花です。
参考資料:新歳時記 平井照敏編
美しい季語の花 金子兜太編
wikipedia~ネジバナ
宮津 昭彦(みやつ あきひこ、1929年 - 2011年)は、俳人。神奈川県生。横浜商工実習学校商業部(現・横浜商工高等学校)で担任であった大野林火の指導を受けたのをきっかけに俳句をはじめる。