食虫植物と共生するボルネオのアリ
2013.06.03
カテゴリ:植物マメ知識
食虫植物と共生するボルネオのアリ
ボルネオ島の深い森の中で、1匹のアリが食虫植物のつるを伝って歩いている。一見すると無惨な死につながりそうな光景だが、この島原産の“泳ぐアリ”(学名:Camponotus schmitzi)は、ウツボカズラの一種(学名:Nepenthes bicalcarata)に対してまったく恐れる様子がない。これは、この2つの生物が生きていくうえで互いを必要としているためであることが、最新の研究によって明らかになった。
昆虫と植物の互恵関係というのは目新しい話題ではない。すみかにしている植物を草食動物から守っている昆虫もいるし、その植物が単独では得ることのできない栄養素を提供している昆虫もいる。昆虫はその見返りに、花の蜜とすみかを得る。だがボルネオ島のこのアリとウツボカズラの関係は、表面上はアリにしかメリットがない一方的なものに見えていた。今回の研究はその謎を解くものだ。それによると、ウツボカズラはこのアリのおかげで、重要な栄養素である窒素を得る機会を失わずに済んでいるのだという。
ウツボカズラの葉は壺のような形に変形しており、そこには消化液がたまっている・・・
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ナショナルジオグラフィックニュース
編集部記