温暖化に戸惑う生物:大草原のラン
2013.05.02
カテゴリ:植物マメ知識
温暖化に戸惑う生物:大草原のラン
アメリカで農業が盛んになる前、広大なグレートプレーンズには高草植物が生い茂っており、ラン科ツレサギソウ属の一種、プラタンテラ・プラエクララ(Platanthera praeclara)をはじめとする在来植物は当たり前の存在だった。
今やこのランは、現在は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧IB類(絶滅危機)に指定され、1万年前にグレートプレーンズの氷河が後退したときにできた低地など、孤島のような場所で何とか生き延びているに過ぎない。雨季が来ると低地に水がたまり、ランの好む湿地に変わるのだ。
ところが多くの気候モデルでは、地球温暖化の影響で降雨パターンが不安定になり、春の洪水と夏の干ばつの可能性が高まると予測されている。「Endangered Species Coalition」(ESC、絶滅危惧種連合)の報告によると、こうした極端な気候がこのランにとって大きなストレスとなり、強い外来種に取って代わられる恐れがあるという。
Photograph courtesy Welby R. Smith, Minnesota Department of Natural Resources
出典 ナショナルジオグラフィックニュース
編集部記