花のある生活
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2015.10.08
オリザサチヴァ
稲の属名Oryza は古代ギリシア語由来のラテン語で「米」または「イネ」を意味します。種小名 sativa は「栽培されている」といった意味です。賢治の詩「南からまた西南から」は賢治らしい言葉選び…
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2015.10.07
秋夕暮に咲く
おしろいばなは十月に白き花咲き実を結ぶなりその草に降る日ざしのなかにおしろひばなはあわたゞしくもオシロイバナ(白粉花、学名:Mirabilis jalapa)はオシロイバナ科の多年草または…
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2015.10.06
黄金のかんむり
ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに、「ベゴ」といふあだ名の大きな黒い石が、永いことじぃっと座ってゐました。「ベゴ」と云ふ名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、稜のあるあまり大きくない黒…
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2015.10.05
秋の音色
北いっぱいの星ぞらにぎざぎざ黒い嶺線が手にとるやうに浮いてゐて幾すぢ白いパラフヰンをつぎからつぎと噴いてゐるそこにもくもく月光を吸ふ蒼くくすんだ海綿体カステーラ萱野十里もをはりにな…
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2015.10.02
サルトリイバラ燃ゆ
青い抱擁衝動や明るい雨の中のみたされない唇がきれいにそらに溶けてゆく日本の九月の気圏です(中略)七つ森第二梯形の新鮮な地被(ちひ)が刈り払はれ手帳のやうに青い卓状台地(テーブルラン…
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2015.10.01
ギンナンの実る頃
融銅はまだ眩(くら)めかず白いハロウも燃えたたず地平線ばかり明るくなつたり陰(かげ)つたりはんぶん溶けたり澱んだりしきりにさつきからゆれてゐるおれは新らしくてパリパリの銀杏(いてう)な…