花のある生活
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2015.11.26
冬のスケッチより
にはかにも立ち止まり二つの耳に二つの手をあて電線のうなりを聞きすます。そのとき桐の木みなたちあがり星なきそらにいのりたり。みなみ風なのにこんなにするどくはりがねを鳴らすのはどこかで…
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2015.11.25
うすあかりの国に
(前略)みちの雪はかたまってはゐましたがでこぼこでしたから馬はたびたびつまづくやうにしました。楢夫もあたりを見てあるいてゐましたのでやはりたびたびつまづきさうにしました。「下見で歩げ。」…
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2015.11.20
ケミカルガーデン
化学にも精通していた宮澤賢治の詩には数々の専門的用語が登場します。化学の実験のひとつである、ケミカルガーデンは、水ガラスに硫酸銅や塩化コバルトなどの個体金属塩を加えた結果、溶液の中に植物状の物が生…
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2015.11.19
神々しき窓辺
賢治が生きた大正時代、青森から上野まで夜汽車で23時間かかったそうです。夜行列車がめっきり少なくなった今日ですが、汽車で迎える朝はなんともいえない旅情があるものです。賢治の童話「氷と後光」はそん…
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2015.11.18
秋バラ
今年の秋バラは一際綺麗です♪上からベリディフロラ(萼が花のように見えるバラで我が家の個体は赤みを帯びます) 真ん中のピンクのバラは種名不明ですが四季咲きで秋は実と花が同時に楽しめます赤い実はバレリー…
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2015.11.18
菓子の風景
宮澤賢治の詩「山の晨明に関する童話風の構想」は北上山地の最高峰、早池峰山に登山した時に作られた作品ですが、山の明け方の風景を菓子に例えて詠んだもので、大変、メルヘンチックな作品です。つめたいゼラ…
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2015.11.17
晩秋燃ゆる
古き勾当貞斉が、いしぶみ低く垂れ覆ひ、雪の楓は暮れぞらに、ひかり妖しく狎れにけり。連れて翔けこしむらすゞめ、たまゆらりうと羽はりて、沈むや宙をたちまちに、 りうと羽はり去りにけ…
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2015.11.16
棕櫚剥ぐ
棕櫚の葉やゝに痙攣し陽光横目に過ぐるころ湯屋には声のほのかにて溝水はほとと落ちたるに放蕩無頼の息子の大工このとき古きスコットランドの貴族風して戻り来れりシュロ(棕櫚、棕梠、椶櫚)は、…