第5回ーアジサイを描く
第5回ーアジサイを描く
アジサイの鉢植えが店頭にならぶ季節になりました。
種類も例年より多い気がします。雨の季節を前にして
今年はアジサイを描こうと思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は基本のデッサンを学びます。
彩色し完成した植物画 ハイドランジア(Hydrangea sp)
いわゆるアジサイの中のアジサイです。爽やかで微妙な変化を持つ花の色を出すのには大変苦労しました。花をジックリ眺めて心に感じた色を軽やかに置いてみました。
まずは「アタリ」線から
皆さん植物のデッサンは何から描き始めますか?
制作ステップー1のように、大まかな線(以後、アタリと呼びます)を描いていますか?いきなり細い線で花の一つひとつを描いてはいませんか?
私はこのアタリをとる作業をとても大事にしています。構図や彩色のイメージもこの時同時に頭に思い描いています。そしてアタリ線はおおざっぱな線ではありません。位置関係や大きさをなるべく正確に見てきます。こうすることで、この次に来る肉付けの作業がうまくいくのです。
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時間を費やすデッサン
アタリ線がとれたら、制作ステップー2のように、形をよく見ながら肉付け(形を探しながらたくさん線を描くこと)をします。ここまでは基本的にHBかHBより柔らかい鉛筆を使用し筆圧はかけないようにします。なぜならあくまでもこの線は下絵の線で、この後、硬い鉛筆で清書するからです。
私の場合、この肉付けの作業までで約3時間費やしています。皆さんもどれぐらい時間が使えるか試してください。自分で言うのも何ですが....私はデッサンの早いほうです。でも3時間かかります。これより早く終わらないよう、肉付けの作業に時間が費やせるようになりましょう。早く終わってしまった方は、やや観察力不足か天才(!!)です。
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さらに時間を使って丁寧に
Hから2H程度の鉛筆に持ち替えたら、肉付けの線を消しながら仕上げ線に描き直していきます。私は「消しながら」ですが、消したら形を忘れてしまいそうな方は、まず消す前に一度仕上げ線を筆圧をかけた状態で描き、その後消しゴムで消して、薄く消え残っている仕上げ線をもう一度なぞります。
こうして、合計9時間かけてデッサンが終了、制作ステップー3のようになります。今回は彩色については説明しませんでしたが、デッサンと同じくまずは全体を考えて陰影を彩色、その後細部を彩色しましょう。
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植物画 ピンクのガクアジサイ
鉢植えで買った物を描きました。地植えにしていたら、私に背丈を越えてしまいました。酸性土壌のため、今は青いガクアジサイになっています。