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第24回ーカトレアを描く

第24回ーカトレアを描く

今から25年ほど前のこと...
私は企業デザイナーとして働くかたわら
植物画家を目指していました。
当時、年10回を越える国内外の出張をこなしながら
寝る時間を削って絵を描いていました。
忙しいと絵を描くにも時間がかかります。
当然、日持ちしない植物は描けません。
そんな中、もともと大好きで、のめり込んでいったのがランでした。
特にカトレア類は花持ちもよく、花が終わった後も
葉やバルブが大きく変化しないため、忙しい私にとっては描きやすい題材でした。今回は花、葉、バルブの彩色方法を中心に質感を出すための上級テクニックをご紹介します。

Cattleya Walkkerinter

構図は花屋で決める

まずランを描く場合(もちろん他の植物もそうですが)は、特に構図が重要です。カトレアは、一年前に出たバルブの付け根から新芽を出し、バルブが数珠繋がりに生えています。だから、バルブの繋がり方がある程度見える構図にして下さい。このカトレアの場合は、右側に小さなバルブがあり、中央の大きな茎頂に花がついている構図になっています。

構図は、モチーフとするお花を購入する時に考えて下さい。店頭で必ずじっくりと株全体を眺め、絵になった時をイメージしながらお気に入りの一鉢を選びましょう。予算に余裕がある場合は一鉢にしぼらず、花、株のそれぞれで良い物を二鉢ぐらい買っておくと完璧です。

彩色ー花

構図上で花と葉が重なり合っていなければ、急いで花を彩色します。本来、絵は全体に彩色しないと空間表現が難しくなりますが、花と葉が重なり合っていない場合は、花の状態が良いうちに彩色してしまいます。その際、花柄は同時に彩色しておきます。

手順

花彩色手順1

①縁の濃色は考えずに、立体感の陰影を彩色します。
同時に花柄も彩色します。

花彩色手順2

②花弁の縁やリップの色、その他の模様を描き加えます。

彩色ーバルブ

バルブは白い甘皮をどう表現するかにかかっています。基本的には「描かずに描く」を目標にして彩色していきます。

手順

バルブ彩色手順1

①極淡い黒で、バルブの丸さの陰影を彩色します。
甘皮の影の色のつもりで彩色してみて下さい。

バルブ彩色手順2

②バルブの緑色の部分を彩色します。
甘皮から透けて見える部分は淡い色で、甘皮のない部分は絵の具の溶き具合を濃くして彩色します。この際、甘皮は全て「塗り残し」ます。

バルブ彩色手順3

③全体の陰影を考えながら、何度か重ね塗りをします。甘皮を塗りつぶさないよう慎重に作業を行ってください。緑が丁度良い濃度になったら、茶色で甘皮のこげた様な模様を入れます。

彩色ー葉

水彩画の彩色の基本は、まず淡い絵の具で、その都度乾かしながら、何度も重ね塗りすることです。濃度の濃い絵の具は紙の上でのばしにくいので、ぼかしの表現が難しくなります。しかし何度も塗り重ねるという事は、厳密に言えば紙を痛めることになります。そのため私の場合は、濃い絵の具でなるべく少ない回数で彩色します。今回のカトレアの葉は、5回以内ぐらいの重ね回数で彩色してみて下さい。滑らかな仕上がりになります。

手順

葉彩色手順1

①はじめの一回は、絵の具の滑りを良くするために淡い絵の具で彩色します。

葉彩色手順2

②二回目以降は、濃い絵の具で一気に彩色します。
絵の具が伸ばしにくい場合は、水をそっと塗って紙を湿らせてから彩色します。その際はくれぐれも紙をこすらないように気をつけて下さい。

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