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第17回ークレマチスを描く

第17回ークレマチスを描く

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セツブンソウ、オダマキ、ラナンキュラスにクリスマスローズetc...
私が大好きな花を挙げてみると、キンポウゲ科のものが多い事に気づきます。
そんな中でクレマチスは私にとって特別な存在です。
大学卒業後、自己流でボタニカル・アートを描き始めた時、一番最初に描いたのが庭にあった青紫色のクレマチスでした。そんな私にとって、思い出深いクレマチスを、おしべの描き方を中心に学びます。

欲張るは失敗の素

まずは、じっくりと観察をして構図を決めましょう。クレマチスの鉢植えはごちゃごちゃとからまっている場合がほとんどで、どこを描いていいか迷う事でしょう。まずは欲張らずに、一番きれいに咲いている花を一本選びましょう。そしてその花を画面の中央もしくは手前に配置して、あとは時間配分と実力に合わせて描く本数を増やして下さい。基本的には描いた花についている葉や茎などはすべて描きますので、描ける範囲内で欲張らない事が成功にカギです。

ちょっとかわいそうだけど

今回私が描いた個体も鉢植えのものですが、分類のポイントをふまえながら美しいボタニカル・アート作品にするため、ちょっとした手が加えられています。本当はあまり教えたくないのですが...種明かしを致します。

①まず、からまった蔓の一本一本を丁寧にほどきます。
②自分の描きたい構図になるように、支柱やあんどんにセロテープで固定します。
③それを見て描きます。

想像で「もう少し葉を右に動かして描く」なんてことは結構難しいものですよね。ですからこうして描くと、正確になおかつ美しく描けるわけです。
ただ一点、注意すべき事があります。たいていの場合、人間の手でいじられた植物は具合が悪くなりますので、できればそのまま描ける良い個体を入手して、手直しは最小限にとどめてあげて下さい。

アタリ線の重要性

モチーフのセッティングが終了したら、デッサンにとりかかりましょう。まずはアタリ線(やわらかいエンピツで淡く描いた大まかな線)で茎や複葉、花弁、おしべ、めしべなどを描きます。この時、ただおおまかに描くわけではなく、長さや位置関係はなるべく正確に、見えていないところもどうなっているのかを考えながら描いて下さい。この時の作業はとても重要です。これが不十分だと、この後の清書で何度も消しゴムを使うはめになります。かなり仕上がりに近い段階までこのアタリ線で描くと思っていて下さい。

最大の難関

先述でアタリ線はかなり細かいところまでと申し上げましたが、花の中心のデッサンの手順だけは少し異なります。細かく淡い線で何度描いてもエンピツ線だらけになってしまうので、以下の手順で描いてみて下さい。

①一本線でおしべ、めしべを描きます(下図)。
この時はHBくらいの鉛筆で筆圧をかけないように注意します。前後に重なるおしべの線どうしが重なり合っていても構いません。

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②手前中心にあるおしべから、2H程度の硬い鉛筆で2本線に清書します。①で描いてある線の上に清書の線を描き、かるく消しゴムをかけて①の線が消えたら、もう一度清書します(下図)。

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③手前中心が正確に描けたら、その線を基準にして左奥、右奥へと描き進めます(下図)。必要のない線はなるべく消して細い線で、見える物全てを描いて完成です。

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難関を超えて

デッサンが終了したら彩色です。今回はデッサンがかなり大変ではなかったでしょうか?私は一ヶ月近くデッサンに時間を費やしてしまいました。しかし彩色はかなり楽に出来ると思います。花の中心を除いては...。
とりあえず、まず葉、茎、蕾などを彩色します。奥行きを考えながら、光によって変化する緑の色の違いも見逃さないように彩色します。そして気持ちを落ち着けて、満開の花を以下の手順で彩色します。

①花弁の一番明るい色で、花弁の立体感と陰影を表現します(下図、この時、おしべ、めしべは彩色しません)。

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②花弁の模様を表現します(下図、この時も①と同じようにおしべ、めしべは丁寧に塗り残すこと)。

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③おしべ、めしべの陰影をつけます(下図)。
後は花粉の色を彩色して完成です。

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ここまで皆さんは上手く描けましたか?込み入った葉や茎のつながりが正確ですか?うぶ毛は描き忘れていませんか?すべての作業が完了したら必ずもう一度、ご自分の絵を確認する習慣を身につけましょう。

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