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疲労の種類によって異なるその対処法とは

疲労の種類によって異なるその対処法とは

ジュニパーベリー

ジュニパーベリー ケーラーの薬用植物図より

疲労の種類

疲労についての定義は実はまだはっきりしていませんが、
疲労は身体が信号として出すサインであり、疲労の段階で
自らの健康状態をチェックするための防衛的反応という見方もできるため
より深刻な状態になる前になんらかの手当が必要だとも言えるわけです。

疲労には大別すると肉体的疲労と精神的疲労の2種類に分けられます。
そして肉体的疲労は急性疲労とセットであることが多く、一過性であり
休み事で回復するのが普通です。一方精神的疲労は慢性疲労とセットで起こる事が多くこれらが回復されないまま蓄積されていく状態であり、この状態が進行するとやがて内臓や神経系にも影響が出るようになると病的な疲労、いわゆる過労と呼ばれる状態になります。つまり精神的疲労は放置しておくと深刻な状態を引き起こすやっかいな疲労という事になります。

疲労の回復

疲労は回復可能な可逆的な状態なので、この時点で速やかに適切な対処をすることが重要です。特に精神的疲労の回復法は身体を休めるだけでは回復しない事が多いので気を付けなければいけません。

人間の精神は脳の疲労と考えがちですが、私たちが疲労を意識出来る状態になるまえに実は無意識下ではとっくに疲労を感じていて、実はその無意識は肉体からの強い影響下にあるのです。人間が心身一如と言われるように心の影響が身体に現れ、逆に体の影響が心に現れます。

今から100年以上も前に、アメリカの心理学者ジェームズとデンマークの心理学者ランゲは、「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」という心理学上の名言を残しました。

この理論は「ジェームズ=ランゲ説」と呼ばれています。

この説の意味するところは『生理学的反応のほうが心理的な情動体験よりも先に起こる』という事を示しています。

例えば、気持ちが落ち込んだ時に口角を上に上げて「笑いの表情を作って下さい」そうすると不思議に気持ちが上がってくることがあります。私の大学の先輩で俳優の竹中直人さんは学生の頃から「笑いながら怒る人」をやってましたがこれは大変難しい芸なのです。

さてこのように精神状態は身体の影響を強く受けているとするならば、精神的疲労の状態を回復するためには安静にすることよりも体へのアプローチが有効であることを示唆しています。

ですからもっとも効果的な方法が「運動」です。運動が苦手であればシャワー、入浴、マッサージなどは血流の回復を図り、栄養や酸素などを全身に運ぶと共に代謝産物や老廃物の速やかな排泄を促してくれます。そして緊張して凝り固まった筋肉をほぐしてくれることも期待できます。

次に合わせて利用したいのが森林療法などに見られる植物の効用です。
緑の香り成分である「青葉アルコール」と「青葉アルデヒド」や森の癒し効果のある香り成分として「フィトンチンド」が知られています。

これらの自然、緑の力を手軽にに活用できるものとしてアロマオイルがあげられます。針葉樹の爽やかな香り「サイプレス」やジンの香りづけの原料として有名な「ジュニパーベリー」などは心に落ち着きを与え疲れた精神を回復させます。

ボタニカルアートサロン 編集部
公益社団法人 日本アロマ協会公認アロマテラピーアドバイザー 吉田 啓樹

図版 ケーラーの薬用植物図より
さらに図版をご覧になりたいかたはこちらのリンクへ
ケーラーの薬用植物

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