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玉菜畑の時間

玉菜畑の時間

画像の説明

こゝから草削(ホウ)をかついで行って
玉菜畑へ飛び込めば
宗教ではない体育でもない
何か仕事の推進力と風や陽ざしの混合物
熱く酸っぱい亜片のために
二時間半がたちまち過ぎる
そいつが醒めて
まはりが白い光の網で消されると
ぼくはこゝまで戻って来て
水をごくごく呑むのである

宮澤賢治の詩・春と修羅の「井戸」は農学校の玉菜畑での実習時間を歌ったものかと思われます。玉菜はキャベツのことだと思うのですが、キャベツは幕末に日本に伝わった比較的新しい野菜です。明治時代に外国人居留区用に栽培されましたが、日本人は口にすることはありませんでした。その後大正時代になり、品種改良が進められ、寒冷地に適することから、栽培は北海道、東北地方や長野県で拡大しました。賢治の農学校での栽培もこのような事情によるものであったのでしょう。しかし、洋食需要が限られた戦前にはそれほど普及せず、現在のようになったのは戦後の食糧増産と食の洋風化が進んでからのことでした。

宮澤賢治 詩・春と修羅 井戸
wikipedia~キャベツ

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