海原臨む詩碑
海原臨む詩碑
宮澤賢治は完成した作品でも徹底して手を加えて他の作品に改作することが珍しくなかった作家です。この文語詩「敗れし少年の歌える」もそのひとつです。
ひかりわななくあけぞらに
清麗サフィアのさまなして
きみにたぐへるかの惑星ほしの
いま融け行くぞかなしけれ
雪をかぶれるびゃくしんや
百の海岬いま明けて
あをうなばらは万葉の
古きしらべにひかれるを
夜はあやしき積雲の
なかより生れてかの星ぞ
さながらきみのことばもて
われをこととひ燃えけるを
よきロダイトのさまなして
ひかりわなゝくかのそらに
溶け行くとしてひるがへる
きみが星こそかなしけれ
この作品は「暁穹への嫉妬」が改変されたものです。
「暁穹への嫉妬」は賢治が1925年に三陸を旅行した際に、発動機船に乗船した有力な地として推測された岩手県下閉伊郡普代村堀内 まついそ公園に詩碑が建立されています。
ハイビャクシン(這柏槇、学名:Juniperus chinensis var. procumbens)は、ヒノキ科ビャクシン属のほふく性の常緑針葉樹です。イブキの変種で別名、ソナレと呼ばれています。ソナレとは「磯馴れ」の意味で、海の岩場などに這うように生えている大部分はハイビャクシンだそうです。
宮澤賢治 詩・敗れし少年の歌へる
wikipedia~ハイビャクシン