外山詩群
2015.11.04
カテゴリ:イーハトーブの植物園
外山詩群
宮澤賢治の外山詩群は、盛岡から外山種畜場の周辺地域の牝馬の「検査」を見にいくために夜を徹して歩いたときに作られた作品です。
つめたいあかつきのかげらふのなかに
青く巨きくひろがって
アークライトの点綴や
町なみの氷燈の列
馥郁としてねむってゐる
まことにこゝらのなほ雪を置くさびしい朝
すなはち三箇名しらぬ褐色の毬果をとって
あめなる普香天子にさゝげ
(中略)
ふたたび老いる北上川は
あるかなしに青じろくわたる天の香気を
しづかにうけて滑って行く
やぶうぐひすが鳴きはじめ
なきはじめてはしきりになき
すがれの草穂かすかにさやぐ
毬果(キュウカ)はマツカサ、マツボックリの事です。
松ぼっくりは俳句では晩秋の季語になります。
宮澤賢治 詩・あけがたになり
wikipedia~松かさ