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オリザサチヴァ

オリザサチヴァ

画像の説明
稲の属名Oryza は古代ギリシア語由来のラテン語で「米」または「イネ」を意味します。種小名 sativa は「栽培されている」といった意味です。賢治の詩「南からまた西南から」は賢治らしい言葉選びによって心象の世界を展開しています。

南からまた西南から
和風は河谷いっぱいに吹く
七日に亘る強い雨から
徒長に過ぎた稲を波立て
葉ごとの暗い露を落して
和風は河谷いっぱいに吹く
(中略)
風はいちめん稲田をゆすり
汗にまみれたシャツも乾けば
こどもの百姓の熟した額やまぶたを冷やす
あゝかわやかな蒸散と
透明な汁液(サップ)の転移
燐酸(ホス)と珪酸(シリカ)の吸収に
細胞膜の堅い結束
乾かされ堅められた葉と茎は
冷での強い風にならされ
oryza sativaよ稲とも見えぬまで
こゝをキルギス高原と見せるまで
和風は河谷いっぱいに吹く

宮澤賢治 詩・南からまた西南から
写真:wikipedia~イネ

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