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サルトリイバラ燃ゆ

サルトリイバラ燃ゆ

サルトリイバラ

青い抱擁衝動や
明るい雨の中のみたされない唇が
きれいにそらに溶けてゆく
日本の九月の気圏です
(中略)
七つ森第二梯形の
新鮮な地被(ちひ)が刈り払はれ
手帳のやうに青い卓状台地(テーブルランド)は
まひるの夢をくすぼらし
ラテライトのひどい崖から
梯形第三のすさまじい羊歯や
こならやさるとりいばらが滑り
(おお第一の紺青の寂寥)
縮れて雲はぎらぎら光り
とんぼは萓の花のやうに飛んでゐる

盛岡市の西方、雫石町との境付近に連なるようにある、大森、石倉森、鉢森、稗糠森、勘十郎森、三角森、見立森の七つ森を賢治は順次、第一悌形、第二悌形と呼んでいました。悌形とは山の両側の輪郭が台形と空想して名付けたものです。

サルトリイバラ(猿捕茨、学名: Smilax china)は、サルトリイバラ科(またはユリ科)シオデ属に分類される多年生植物で、山野や林縁などに生え、秋になると燃えるような赤い実をつけます。

宮澤賢治 詩・第四悌形
写真:wikipedia~サルトリイバラ

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