収穫の秋
2015.09.29
カテゴリ:イーハトーブの植物園
収穫の秋
人はやっぱり秋には
禾穂を叩いたり
鳴子を引いたりするけれども
氷点は摂氏十度であって
雪はあたかも風の積った綿であり
柳の波に積むときも
まったくちがった重力法によらねばならぬ
夏には雨が
黒いそらから降るけれども
笹ぶねをうごかすものは
風よりはむしろ好奇の意思であり
蓮はすべて lotusといふ種類で
開くときには鼓のやうに
暮の空気をふるはせる
禾穂は稲の穂のことでしょう。
収穫した稲穂をたたいて、鳥よけの鳴子をしまう風景でしょうか。
イネ(稲、稻、禾)は、イネ科イネ属の植物です。
農業指導に奔走した賢治に馴染み深い植物です。
宮澤賢治 詩・一つのちがったatomosphereと無邪気な地物の設計者
写真:wikipedia~イネ