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日本植物誌~シキミ

日本植物誌~シキミ

シキミ

シキミ(樒、櫁、梻 Illicium anisatum)はシキミ属の常緑高木です。仏事に用いるため寺院に植栽されます。シキミはシーボルトにより、新植物として1835年、日本植物誌でIllicium religiosumの学名を与えましたが、現在の学名Illicium anisatumはシーボルトらに先だって日本の植物を最初に研究したケンペルの図と記載に基づいて、分類学の父と言われる、リンネにより命名されたIllicium anisatumがあったため、シーボルトらの学名は異名とされました。シキミは仏事に使用されることから寺院に植栽されます。『真俗仏事論』2には供物儀を引いて、「樒の実はもと天竺より来れり。本邦へは鑑真和上の請来なり。その形天竺無熱池の青蓮華に似たり、故に之を取りて仏に供す」とあり、一説に鑑真がもたらしたとも言われています。シーボルトの覚書にも「シキミは僧によって大昔に中国または朝鮮から日本に移入された植物のひとつ」とありますが、大場秀章氏によるとこれは誤りで、シキミは日本に自生し、関東地方以西に広く分布するとされています。シキミの語源は、四季とおして美しいことから「しきみ しきび」となったと言う説、また実の形から「敷き実」、あるいは有毒なので「悪しき実」からともいわれています。中華料理に欠かせない香辛料であるトウシキミ(スターアニス、八角(はっかく)または大茴香(だいういきょう)という)は近縁種になります。日本植物誌に描かれた全形図は川原慶賀により描かれた原図をもとに作成されました。

植物画:シキミ 京都大学電子図書館

参考資料:シーボルト 日本植物誌 大場秀章監修・解説
wikipedia~シキミ

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