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今日の歳時花~南蛮煙管

今日の歳時花~南蛮煙管

ナンバンギセル

ナンバンギセル(南蛮煙管、Aeginetia indica)はハマウツボ科ナンバンギセル属の寄生植物で、日本を含むアジア東部、アジア南部の温帯から熱帯にかけて生育します。イネ科の単子葉植物(イネ、ススキ、サトウキビなど)の根に寄生し、寄主の根から吸収した栄養分に依存して生育するため、寄主の生長は阻害され、枯れてしまうこともあります。全長は15-50cm。葉は披卵形、長さ5mmから10mm、幅3-4mm。花期は7-8月、赤紫色の花を1個つけます。花冠は筒型で、唇形になり、花冠裂片の縁は全縁です。蒴果は球状で、種子の大きさは0.04mmと大変小さいです。葉緑素を持たない植物のため、全体が淡紫色をしています。和名は南蛮人のくわえているパイプに似ていることから「南蛮煙管」または「きせる草」、また花がうつむいて咲く姿が物思いにふけるように見えることから思草とも呼ばれています。万葉集に「道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思わむ(詠み人知らず)」と詠まれたのも、この「思草」とも言われています。ひっそりと咲く姿に心動かされる季語の花です。

参考資料:美しい季語の花 金子兜太監修
wikipedia~ナンバンギセル

北 さとり~大正2年(1923) 京都府生れ。大阪府在住。「大樹」主宰。父、北山河の創刊による「大樹」を昭和34年に継承主宰。同誌の同人数名の方と共に大阪拘置所の篤志面接員として俳句による矯正教育に尽くす。

出典:俳人舎の俳人名鑑

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