花のある生活
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2015.09.15
新蕎麦香る
今日も昨日に引き続き「春と修羅・第三集・秋」よりご紹介しましょう。青じろいそばの花から蜂が終りの蜜を運べばまるめろの香とめぐるい風に江釣子森の脚から半里雨つぶ落ちる萱野の岸で上鍋倉組…
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2015.09.14
リンドウの秋
「春と修羅」は賢治が生前に刊行された唯一の詩集です。実質自費出版で1000部発行後、「春と修羅第二集」「春と修羅第三集」の発行を予定していたが、実現できませんでした。賢治はこれらを、詩集と呼…
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2015.09.11
宝石の雨
賢治は幼いころから鉱物収集が趣味でした。その後地質学も学んだ事から、その豊富な知識が作品にちりばめられています。童話・十力の金剛石はまさしく宝石に関わるお話です。(前略)雨の向むこうにはお日さ…
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2015.09.10
やまなしのご褒美
童話「やまなし」は清流の底に棲む、サワガニの兄弟と父親のお話です。前半と後半の二部構成からなります。一、五月(前略)魚がこんどはそこら中の黄金きんの光をまるっきりくちゃくちゃにしておまけに自…
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2015.09.09
チーゼルと幻聴
どこからかチーゼルが刺し光パラフヰンの蒼いもやわをかく わを描く からす烏の軋り……からす器械……(これはかはりますか)(かはります)(これはかはりますか)(かはります)(これはど…
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2015.09.08
カモガヤの穂、哀し
宮沢賢治の「土神と狐」は賢治が亡くなった翌年(1934年)に発表された作品です。好きな女性(擬人化された樺の木)のために嘘をついてしまう狐と、狐への嫉妬に苦しむ土神とが、迎える哀しい結末を描く短…
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2015.09.07
馬鈴薯の正体
菜食主義で知られる宮沢賢治の短編小説に「ビヂテリアン大祭」という作品があります。カナダの東海岸にある大きな島、ニュウファウンドランド島の山村で行われた、ビジテリアン大祭に日本の代表として参加し…
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2015.09.06
ヒエ実るころ
賢治の童話や詩は有名ですが、文学的な歩みから言うと盛岡中学時代の短歌から始まります。賢治の短歌は大別すると歌稿AとBがあります。Aは明治44年~大正9年春までの作品を2人の妹と賢治自身が編集した…