花のある生活
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2015.10.19
チェロ響く夜
童話、セロ弾きのゴーシュは皆さんに良く知られた、代表作の一つと言って良いでしょう。楽団でセロ(チェロ)を担当しているゴーシュは、あまりにも下手なためにいつも楽長に厳しく叱責されていました。そんな…
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2015.10.16
クリプトメリアギガンテア
十里にわたるこの沿線の立派な華麗樹品評会(フアイントリーズシヨウ)であるけだしこの緑いろなる車室のなかは殆んど秋の空気ばかりでわたくしは声をあげてうたふこともできればねころぶことも通路…
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2015.10.15
賢治の東京
宮澤賢治は生涯に10回、東京を訪れています。片道10時間以上かかった当時、15年の間に10回の上京は少なくないと思います。中でも、1928年の6月に大島在住の友人、伊藤七雄、チヱ兄妹を訪ねる前…
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2015.10.14
種山ヶ原の猿
楢夫は、じっとそれを眺て、ひとりごとを言いました。「ははあ、これがさるのこしかけだ。けれどもこいつへ腰をかけるようなやつなら、すいぶん小さな猿だ。そして、まん中にかけるのがきっと小猿の大将で、…
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2015.10.13
ジュズダマの実
(前略)……きのふまでは四十雀をじぶんで編んだ籠に入れてづしだまの実も添えて町へもってきてやったりした、わり合ひゆたかな自作農のこどもだ……(後略)ジュズダマ(数珠玉、Coix la…
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2015.10.12
ある英雄の死
城のすすきの波の上には伊太利亜製の空間があるそこで烏の群が踊る雲母のくもの幾きれ(濠と橄欖(かんらん)天蚕絨(びらうど)、杉)ぐみの木かそんなにひかつてゆするもの七つの銀のすすきの穂…
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2015.10.09
岩手山に積もる
詩、「東岩手火山」は詩集「春と修羅」に収められた長詩です。花巻農学校の生徒を引率して登山し、山頂をなす外輪山の一角から最後の登頂をすべく待機していた時に目の前に広がる様子を綴ったものです。月は…
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2015.10.08
オリザサチヴァ
稲の属名Oryza は古代ギリシア語由来のラテン語で「米」または「イネ」を意味します。種小名 sativa は「栽培されている」といった意味です。賢治の詩「南からまた西南から」は賢治らしい言葉選び…