花のある生活
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2015.11.12
玉菜畑の時間
こゝから草削(ホウ)をかついで行って玉菜畑へ飛び込めば宗教ではない体育でもない何か仕事の推進力と風や陽ざしの混合物熱く酸っぱい亜片のために二時間半がたちまち過ぎるそいつが醒めてまはり…
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2015.11.11
菊花を詠む
宮澤賢治の俳句は少ないですが、中でも菊を詠んだ作品が数多くあります。宮澤賢治イーハトーブ館の裏手にある「宮澤賢治句稿」碑にはそれらの作品が刻まれています。菊を案じ星に見とるる霜夜かな斑猫は二…
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2015.11.10
芝罘(チーフー)白菜
十いくつかの夜とひる患んでもだえてゐた間寒くあかるい空気のなかで千の芝罘白菜ははぢけるまでの砲弾になり包頭連の七百は立派な麺麭の形になった(中略)残丘の一列も雪を冠って青ぞらに立…
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2015.11.06
ヒイラギの季節
仔牛が厭あきて頭をぶらぶら振ってゐましたら向ふの丘の上を通りかかった赤狐あかぎつねが風のやうに走って来ました。「おい、散歩に出ようぢゃないか。僕がこの柵さくを持ちあげてゐるから早くくぐっておしま…
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2015.11.05
海原臨む詩碑
宮澤賢治は完成した作品でも徹底して手を加えて他の作品に改作することが珍しくなかった作家です。この文語詩「敗れし少年の歌える」もそのひとつです。ひかりわななくあけぞらに清麗サフィアのさまなして…
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2015.11.04
外山詩群
宮澤賢治の外山詩群は、盛岡から外山種畜場の周辺地域の牝馬の「検査」を見にいくために夜を徹して歩いたときに作られた作品です。つめたいあかつきのかげらふのなかに青く巨きくひろがってアークライトの…
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2015.11.02
農園ランドスケープ
宮澤賢治の詩・三原詩群は三篇の詩によって構成されています。大島で農園学校を計画していた友人の伊藤七雄に招待された時の模様を歌ったいあわば紀行のようなものですが、中でも農園の装景を描写した第二部は…
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2015.10.30
ばけもの瑪瑙木
宮澤賢治の童話「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」に登場する、瑪瑙木とは硅化木の事で、木化石とも呼ばれる、植物の化石のひとつの形態です。アフリカ、アルゼンチン、ブラジルなどで多く産出されていて、…