今日の歳時花~駒草
今日の歳時花~駒草

コマクサ(駒草、学名:Dicentra peregrina (Rudolph) Makino)は、ケマンソウ科コマクサ属の多年草の高山植物です。花の形が馬(駒)の顔の正面のように垂れて咲くことから「駒草」と牧野富太郎博士が命名しました。千島列島・樺太・カムチャッカ半島・シベリア東部の東北アジアと日本の北海道から中部地方の高山帯の風衝岩屑斜面などの砂礫帯に分布しています。花期は7-8月で、花茎は10-15 cmで淡紅色の花を咲かせます。花弁は4個で外側と内側に2個ずつつき、外側の花弁は下部が大きくふくらんで、先が反り返り、内側の花弁はやや小さく、中央がくびれ、上端は合着しています。萼片は2個で早く落ちます。葉は根生葉で細かく裂けていてニンジンの葉に似ています。根は柔らかく地中深く50cmから1mほど長く張ります。美しい花と、他の植物が生育できないような厳しい環境に生育することから「高山植物の女王」と呼ばれています。また古くから腹痛薬として薬効が知られ、多くの自生地にて明治・大正期に薬草採りが行われ採り尽くされてしまったことから、絶滅危惧種として指定されています。高山の気象に耐えて可憐な花を咲かせる健気さが心打つ季語の花です。
参考資料:美しい季語の花 金子兜太監修
wikipedia~コマクサ
宮津 昭彦(みやつ あきひこ、1929年 - 2011年)は、俳人。神奈川県生。横浜商工実習学校商業部(現・横浜商工高等学校)で担任であった大野林火の指導を受けたのをきっかけに俳句をはじめる。卒業後は大阪住友海上保険(のちの住友海上火災保険)に入社、同時期に林火の「濱」同人。濱賞、濱同人賞を受賞し「濱」副主宰を務める。