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勲章とロゼッタ

勲章とロゼッタ

桜の季節も街から山へ移る今日この頃、皆さんお元気にお過ごしでしょうか?早くも気持ちはゴールデンウィークなんていう方もいらっしゃるのではないでしょうか。今年は少し曜日の並びが悪いですが、その皮切りになる4月29日の昭和の日は春の叙勲が発令される日でもあります。

勲章なんて縁が無いなんて思っておられるかもしれませんが、ボタニカルアートをお描きなる皆さんならば身近なところにそれがある事にお気づきになるかもしれません。

それは「ロゼット」です。
お聞きなったことがあると思いますが、
そのロゼットには3つ意味があります。

まず、一つ目は、花形装飾を意味するもので、開いた花を上から見た形を図形化した装飾や文様のことです。言葉の起源は八重咲きのバラの花びらの配列を現わすものだったそうです。

バラ結び帽章

次に、二つ目は、勲章を指し示す意味です。勲章や記章の受賞者がそれらを佩用しないときに受賞歴を示すために着用する略綬とよばれるリボンのことで、欧米ではこれをロゼットとよびます。フランス革命の推進力になったサンキュロットと呼ばれる無産市民らが三色旗と同じ配色のリボンを円形のバラ結び(ロゼット)にして帽子にとめたことが有名でのちに各国の制帽の帽章である円形章としてとりいれました。リボン章は勲章にメダルを使用する以前からある勲章の原型といえます。

そして、三つ目は皆さんがよくご存じの「ロゼット」という植物の葉の生え方です。ロゼットとは短い茎に多数の密集した葉が放射状に広がった根生葉のことで、その広がった形がバラの花びらの配置と似ていることからこのように呼ばれています。さて、このロゼットですが、植物にとってどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?さっそく調べてみました。

ロゼット植物が生きていくのに適している場所は他の植物が生育しにくい、河原や砂丘などの石や砂で覆われた荒地やコンクリートで舗装された道端などの一般的に植物が生育しにくい場所です。

これはロゼット植物のように茎が短いと葉の展開する位置が低くなり、他の植物の陰に入りやすくなるので、このような他の植物との競争が避けられる環境こそロゼット植物にとって大きなメリットになります。

ロゼット

種子から芽生えて何年ものあいだ、ロゼットの状態で茎を作るためのエネルギーを節約し、そのぶん、葉に投資して光合成による栄養の生産力を増強したり、根に栄養を蓄えた後、将来子孫を残すチャンスが巡ってきた時にいっきに茎を伸ばして花を咲かせます。そのほか、冬季の温度が低い時期は温まった地面の熱で葉の温度を上昇させ光合成を活発化させたり、風や人間の草刈りや動物の食害から身を守ったりとさまざまな利点があるのです。

過酷な環境の中でじっと耐え、開花の為の力を蓄える、そんなロゼット植物の姿は、華々しい叙勲の裏にある、受賞された方々の努力の人生の象徴のようにも思えます。

さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

参考資料
これでナットク!植物の謎
wikipedia
略綬
円形章

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