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吉田桂子先生のボタニカルアート作品がグッズになりました。
ご興味のある方はどうぞご覧ください。

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コンテンツ更新情報


吉田桂子 略歴
横浜生まれ
多摩美術大学卒
大手アパレルメーカーに服飾デザイナーとして勤務の後、画家として独立
英国王立園芸協会(RHS)ゴールドメダリスト
日本ボタニカルアート協会代表

6月のタイトル花

ラン コクレアンテス マルギナタ

この作品のサインに日付がありません。しかしこのサインは画家として一本立ちした後のサインなので、おそらく1999年~2001年頃の作品かと思われます。当時は本当に多くのランのボタニカルアートを描きました。そのランもとても地味ではありますが、ゲットウなどのショウガ科の植物を思い起させる様な雰囲気があります。ランの中でも夏咲きの品種だからでしょうか......白い肉厚の花だからかもしれません。
コクレアンテスは主に中央アメリカから南アメリカ大陸に自生する4種のランで構成されています。個性的な花を咲かせる品種が多く、側花弁がグリーンでくるくるカールするエクアジェネラや不思議な色相のディスカラー等......私好みの花が多すぎます。またいつか出会ったら是非描いてみたいと思うラン科の中の属のひとつです。

画:ラン・コクレアンテス・マルギナタ 吉田桂子
文:吉田桂子

5月のタイトル花

中国クマガイソウ

以前......そう約10年前まで我が家の庭には日本クマガイソウがありました。
もともとは数本の鉢植えを頂いた事から始まり、ひと頃は数十本の群落となって咲いていました。しかし、気候変動の影響から逃れられず、10年ほど前に花のない茎を2本出した翌年からは遂に1本も芽を出さなくなってしまいました。
さて......この作品......中国クマガイソウという名札を付けた栽培品を購入して描きました。よく園芸店で売られているクマガイソウはタイワンクマガイソウと呼ばれている3品種です。側花弁もピンク色でリップもピンクが強く全体的に可愛らしい印象の植物です。それと比べるとこの中国クマガイソウの側花弁はどちらかと言うと日本のクマガイソウに似ていますが、唇弁のピンクが濃く、我が家に居たクマガイソウとも少し違う気がします......残念ながらクマガイソウは1本に株分けしてしまうと育てるのが大変難しいです。
分かってはいましたが、どうしても描きたくて園芸店から連れて帰って描いてしまいました。しかしこうして絵として命を残せたから少しは罪が少なくすんだでしょうか......

画:中国クマガイソウ 吉田桂子
文:吉田桂子

ミヤマキケマン

今年も庭のムラサキケマンが咲き始め、なんとなく以前描いていたミヤマキケマンの花のことを思い出しました。

この作品は礼文島の山道で描いた作品です。
坂道を下りきり、さあここから登りという道の一番低い所で、そこは林縁から少し水が滲み出ており、しっとりひんやりとした場所にこのミヤマキケマンが生えておりました。

ジロボウエンゴサクやムラサキケマンなどは身の回りでも良く見かけるけれど、黄色いケマンはエゾエンゴサクと共に珍しいのではとその時は思いました。

そしてしばらく経ったある日の事......私はお教室の帰り道で池ノ上という駅のホームにぼんやりと立っておりました。
「下を向いて歩こう!」は植物画家のあるある言葉ですが、線路脇は特に(私だけかもしれませんが......)興味をそそられます。

線路レールの下にあるジャリ石が終わると線路脇には水はけの為、側溝があり、あまり深くはない側溝の中や脇にはチョロチョロと雑草が生えていました。でも「おやっ......」何かいつも見慣れた都内の線路脇とは違う形の葉と黄色い花を目の端で捉えました。思わずホームのはじの方に歩いて行ってみるとそれはキケマンでした。礼文島で見たキケマンよりも葉も生き生きとしている様に見えました。

今から思えばあれは礼文島で見たケマンと同じではなく、平野部でも生えるキケマンだったと思います。でもその時はゴールドラッシュでもきたかのような興奮を覚えました。あれから更に時が経ち、池ノ上駅に行くことはなくなってしまったけれど線路脇のキケマンは今年も黄色い花を咲かせているのでしょうか?......

画:ミヤマキケマン 吉田桂子
文:吉田桂子

3月のタイトル花

カタセタム テネブロッサム

カタセタム・テネブロッサム

以前カタセタム・テネブロッサムと、何だったか忘れたのだがもう一種と発表したら、学名が違うと指摘を受けたことがありました。
テネブロッサムと交雑したら黒花のはずと言われました.......
「でもタグどおりだからな~」
その時たまたま私が不在でお話を伺うことが出来ませんでした。

蘭は不思議な植物で育種から栽培家に渡った一鉢が全く別人?いや別物か.....
と言う様な花を咲かせた画像を拝見しました。なのであの時の作品はタグ通りなのではと思っています。

時にはこの作品......以前......今から2,30年前は蘭の花ばかり描いていました。とりわけカタセタムは大好きで、これは少し小ぶりなテネブロッサムです。通常のテネブロッサムよりバルブがぷっくり丸くて可愛らしい姿をしています。

蘭は一鉢、一鉢に名前をつけて愛でる習慣があります。
しかし、昔の時計のCMで岡本太郎さんが「名前なんて(中略)記号にしかすぎない」と言っていた。矛盾するようだが本当にそうだと思います。

その一輪の花が美しければ良き。

画:カタセタム・テネブロッサム 吉田桂子
文:吉田桂子

2月のタイトル花

レリアカトレア フラバ

随分前の作品です。
古いフィルムを引っ張り出し「この花の種名は何だっけ?」と考える。
すると空から「フラバ」という言葉が降りてくる。
「そうそう、フラバって黄色って意味だもんね!」と思う。
「で......属名って何だっけ?」と更に考える。
「小型なのでエピデンドラム?」
「いやいや花の型が違う......」
「あ~ひょっとして......」
また空から「レリアカトレア」と言う言葉が降りてくる。
ネットで画像検索すると......
「あった~~~~」

今はカトレアを分類している人もいる様ですね。
昔はレリアカトレアは種が少ないと言われていたので
ひょっとすると包含されてしまったのかもしれませんね......
DNAの分類が植物画界では当然となりましたが、なかなかついていくことができておりません......
まあ分類は植物の先生方にお任せして......
私は画家だからね......と勝手な言い訳をしてみる。
今日この頃。

画:レリアカトレア フラバ 吉田桂子
文:吉田桂子

1月のタイトル花

パンジー2種

パンジー

また新しい年がやってきました。
新しい年、私の年に相応しい作品をと思い、この作品を選びました。

この作品は私がまだ植物画家として活動する前の作品です。
この頃はまだ、故佐藤廣喜先生の門下で植物画を学び始めたばかりだったように記憶しています。2種類のポット苗のパンジーを教室でいただいて描きました。

今から見ると絵としては良いけれどボタニカルアートとしては「イマイチの作品だな......」と感じます。「見たままをただ描いただけの作品」という印象を受けます。

厳密に言えばまず「見たままで描けるほど絵は上手くない」という事でしょうか......よくお教室でも「ボタニカルアートは見たままを描いてはいけないんですね」という質問を受けます。しかし「見たままを描く」ほど難しい事はありません。なのでそんな事は出来ると思っても、やろうとしてもいけないんです。

ボタニカルアートはまず「形態の説明」が一番大切です。技法的には鉛筆でその説明をすべて完了しなくてはなりません。そこが一般的な写実絵画とは大きく違います。その点を踏まえて見るとこの私のパンジーはまだまだな作品でした。

一年の初めにこの作品を選んだ理由......
前述の様にボタニカルアートとして正しく描くという事はもちろんなのですが、この頃の私の気持ちをもっと大切にしたいなと思います。
ただ目の前の植物を必死に描いていた頃の気持ちです。
ボタニカルアートを楽しくそして時に厳しく自分らしい作品を描きたいと思う一年の初めです。

画:パンジ2種 吉田桂子
文:吉田桂子

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