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第18回ーゼラニウムを描く

第18回ーゼラニウムを描く

私が子供の頃はどこの家庭にもあった花
「ゼラニウム」
最近はめずらしい品種でないと
見向きもされなくなりました。
今回はオーソドックスな品種をとりあげ、
デッサンでは構図の考え方、
彩色では縁どりのある花の表現を学びます

画像の説明

植物画におけるメッセージを考える

まず植物画を描き始める時、私は一般絵画と同じように主題を決めるところからスタートします。今回は、連載に何を描こうかと頭を悩ませている時に、近所のスーパーで売られているゼラニウムの苗と出会いました。
種名も追えないような一般的な苗でしたが、花色が豊富で、開花期が長く可愛らしかったので、この「花色の豊富さ」を主題にして描きことにしました。

植物選びから作画は始まっている

いつもお話ししている事ですが、花を選ぶところから作画は始まっています。私もスーパーの店先であれこれやと頭を悩ませておりました。鮮魚売り場で迷っている主婦よろしく、ゼラニウムを前にどういう構図にするか考えながら苗を選びました。

重複する要素はなるべく省く

構図を決める時は、まず自分のやりたいことをたくさん出しましょう。それは植物学的な側面と絵画的な側面の両面から考えて下さい。そしてすべて出し切ったところで今度は重複する要素はなるべく省いていきます。この作業はとても大切です。要素を盛り込み過ぎた作品は、作画に時間がかかるだけでなく、見る人を疲れさせる絵になり、ボタニカルアートとしても美しくありません。同定に使用し得る最小限の要素をおさえたら、重複する内容は描かないか、線描のみやモノトーンでの処理にして、主題のみをしっかり彩色します。

そして結論

今回は左斜め下に個体全体を描いたものを配置し、花色の種類の表現は、花柄から上の部分のみを空間に配置して表現することにしました。花色も無地のものばかりでなく、縁どりのある花も選びました。

彩色手順と構図との関係

この構図の場合、便利なポイントがひとつあります。それは変化の大きい花の部分を先に彩色してしまえるということです。花の奥に重なり合う茎や葉が無い場合、お花の状態が悪くなる前に、先に花だけ彩色してしまいましょう。逆転の発想でいくと、花が早くだめになってしまう植物の時は、重なり合わない位置に花を描いておけば先に彩色できるということです。

まずは主役の彩色から

今回は前述のとおり、花からでも描くことが可能な題材ですが、私はいつも通り中心となる花から描きました。彩色手順の考え方は、セントポーリアと大きく変わりません。うぶ毛は紙の白を残すこと、上方の2枚だけ色が違って見える花弁の下地には黄オレンジの下塗りをすること、花や葉の模様は一番最後に描き加え、特に葉の斑は花と葉の色を混ぜて作る為、本当に最後の方で作業をするということなのです。

今回特に彩色のポイントになるのは、中心が白く周りが濃色のボカシになっている花の描き方です。(濃色のボカシの描き方参照)。中心が白いお花は他にもたくさんあると思いますが、全て考え方は共通です。花の周辺の濃い色を先に塗らず、白い花のつもりで薄めた黒で陰影を彩色して下さい(図2)。逆の手順で作業を進めると、たいていの方は前の花が奥の花にめり込んだ様な絵になり、遠近法にしたがった彩色が難しくなります。先に立体感からくる陰影を彩色してしまうことで、それを防ぐことがきますので、必ず彩色手順を守るように心がけて下さい。

濃色のボカシの描き方

図1:まずはデッサンをする。

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図2:次に黒で陰影のみ彩色する

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図3:最後に、ボカシを入れながら縁どりの色を彩色する。

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